偉大な企業に共通する6つのポイントの四つ目は、「ハリネズミの概念(The Hedgehog Concept)」で、偉大な企業が進むべき“戦略的な一点集中”の原則です。
なぜ「ハリネズミ?」と思われたと思います。
ギリシャの寓話に由来しているそうで、「キツネは多くのことを知っているが、ハリネズミは一つの大きなことを知っている」と対比されています。キツネはあれこれと複雑に仕掛けを考えるが、ハリネズミは「身を丸めてトゲを立てる」というシンプルな防御で生き残ります。
これを企業戦略に置き換えると、「多くをやろうとする会社は失敗し、真に得意な一点を極めた会社が勝つ」という教訓になります。
ハリネズミの概念の3つの円
ジム・コリンズは、「偉大な企業」は以下の3つの円が重なる“交点”を追求していると述べています:
円の名称 内容 経営者が考えるべき問い
① 情熱を持てること 会社として本当に心から取り組みたいこと 「私たちは何に対して深い情熱を持てるか?」
② 世界一になれること 他社よりも明らかに優位性を築けること 「何において世界一になれる可能性があるか?」
③ 経済的原動力になること ビジネスとして採算が取れ、持続的利益を生み出せること 「私たちの経済を駆動する“利益の仕組み”は何か?」
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この交差点こそが「真の戦略」
ハリネズミの概念 図解イメージ
[情熱]
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/ \
[世界一]───[経済性]
この3つの円の重なる中心点が、企業が集中すべき「コア戦略領域=ハリネズミの概念」です。
ハリネズミの概念は、時として誤解を与えることがあります。情熱を注げる好きなことに一点集中して突き進めばよいと思ってしまうことです。前回ご紹介した3番目の項目「厳しい現実を直視する。困難な現実に目を背けず、誠実に向き合う文化」は大切ですね。
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セルフチェックしてみてください。
1. あなたの会社は、社員全体が情熱を持てるテーマを追求していますか?
2. あなたの会社が、真に「世界一」になれる領域は何ですか?
3. その活動は、明確に持続可能な利益を生んでいますか?
4. 上記3つの交点を「明文化」し、全社に浸透させていますか?
如何でしたでしょうか?「ハリネズミ」と聞くとおやっと思われたと思います。コア戦略領域を見定めることを繰り返し行っていくことが大切なのでしょう。セルフチェックして、一つ見えてきたことがあります。「世界一」というのを「Only One」と置き換えると私の場合しっくりきました。
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