経営者向けのYouTubeを見ていると出てくる本の解説の中で、筆者が気に入った書籍をご紹介します。そもそも。「ビジョナリー・カンパニー」は、日本において売れるであろうということで付けられたタイトルで、原題は、「Built to Last」。「時代を超えて続くように作られた」と訳されます。「ビジョナリー」とは、「先見の明がある」です。「先見の明があるからこそ、時代を超えて続く」のでしょう。1994年の出版以降、世界中の経営者に読み継がれています。
日本における「ビジョナリー・カンパニー」シリーズの2作目である『ビジョナリー・カンパニー2(原題:Good to Great)』は、ジム・コリンズによる「良い会社(Good)」が、なぜ「偉大な会社(Great)」に進化できるのかを解明した経営書です。前作『ビジョナリー・カンパニー』の続編ですが、今作では凡庸な企業が卓越企業に変貌するプロセスに焦点を当てています。大企業だけでなく、中小企業の経営者にも当てはまることが多いと思い取り上げました。
『ビジョナリー・カンパニー2』の主題
「なぜ多くの会社は「良い」の段階にとどまり、「偉大」にはなれないのか?」
著者は、Good is the enemy of Great(良いは偉大の敵) という言葉からスタートし、企業が偉大になるには何が必要かを、実証研究によって明らかにしています。
研究の背景と方法
- 対象:15年にわたり市場平均を大きく上回った11社(例:キンバリー・クラーク、ウォルグリーン)
- 比較:同業界で似た条件だったが“偉大になれなかった”企業と比較分析
- 目的:「偉大に変わった企業の“変化の要因”は何か?」を探る
偉大な企業に共通する6つの要因
要因 | 説明 |
① 第五水準のリーダーシップ | 謙虚さと強い意志を兼ね備えたリーダー(自分ではなく、会社の成功に焦点) |
② 最初に人を選び、次に方向を決める | 「適切な人をバスに乗せ、間違った人を降ろす」ことで組織の基盤を築く |
③ 厳しい現実を直視する | 困難な現実に目を背けず、誠実に向き合う文化 |
④ ハリネズミの概念 | 「情熱 × 得意なこと × 経済的原動力」の3つが交わる一点を追求 |
⑤ 規律ある文化 | 自由と責任を両立させた組織文化(管理不要な人材による自律) |
⑥ 弾み車の法則 | 一発逆転ではなく、小さな成功を積み重ねて加速する成長の連鎖 |
経営者が得るべき教訓
- 偉大な会社はカリスマではなく組織システムで動いている
- 人材採用こそが最大の戦略
- 短期的ブームよりも、「継続可能な構造変革」が鍵
- 真に強い組織は「しっかり考え、着実に実行」する
まとめ:良い会社に満足せず、「偉大さ」を目指す
偉大な企業は、一夜にして生まれるのではない。
静かに、着実に、そして意図的に変わっていく。
如何でしたでしょうか?何を言っているのかわからないといった感想が聞こえてきそうです。次回から、偉大な企業に共通する6つの要因を深堀していきます。
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