ティール(進化型)組織とは① 組織の5つの形態とは
2024.9.5
経営者として、自らの組織運営がうまくいっているか気になるところですよね。最近学んだ組織形態にティール(進化型)組織という考え方を知る機会を得ましたので2回に分けてご紹介します。ティールとは、色の名前です。青緑色だそうです。青緑と言っても青と緑の中間色で、少し落ち着いた印象のある色合いだそうです。また、組織形態は5つに分けられるそうで、すべて色の名前がついています。
まず、ティール組織の定義からです。ティール組織は、フレデリック・ラルーの著書『Reinventing Organizations』で提唱された組織形態の一つで、従来の組織モデルとは異なる、新しい形の組織運営を目指すものです。ティール組織の特徴は以下の3つです:
1.自己組織化(Self-management):従来のピラミッド型の組織構造ではなく、権限が分散され、個々のチームや個人が自律的に意思決定を行います。
2.全体性(Wholeness):個々の従業員が職場で自身の全体性を発揮できる環境を提供し、個人の価値観や感情を尊重する文化を持ちます。
3.進化する目的(Evolutionary Purpose):組織の目的やビジョンが固定的なものではなく、状況や環境に応じて進化していくことを重視します。
少し、別の表現を見てみましょう。ティール組織は、組織を「1つの生命体」として捉え、絶対的な権力を持つリーダーは存在せず、組織は社長や株主のものではなく、従業員が組織の使命を果たすために、必要に応じて意志決定を行う組織形態で、独自のルールにもとづいた組織運営が行われるのが特徴です。
ティール組織では、組織は従業員全員のものであると考え、ヒエラルキーは存在せずそれぞれが対等な関係であるため、全ての意思決定に合意を得ることは必要とされず、従業員ひとりひとりに意思決定権があります。組織目標を達成するためにできることと、個人の目標達成のためにすべきことが一致しているため、従業員は自主的業務に取り組むことが可能になります。
ティール組織は進化の一形態として位置づけられており、以下の5つの段階に分類しています:
1.レッド組織(Red Organizations): 初期の組織形態で、権力と恐怖によって支配される集団です。力が重要視され、リーダーが支配的な役割を果たします。例としてはギャングや初期の部族社会が挙げられます。
2.アンバー組織(Amber Organizations): 秩序と安定性を重視する官僚的な組織です。厳格な階層構造とルールに基づいて運営され、安定した予測可能な業務が求められます。軍隊や大企業が典型的な例です。*アンバーとは、日本語で「琥珀色(こはくいろ)」と表現される色です。琥珀色は、金色がかった茶色のような色合いです。
3.オレンジ組織(Orange Organizations): 経済的な成長や成功を重視する競争的な組織です。成果主義とイノベーションが奨励され、目標達成に向けて効率的に運営されます。多くの現代企業がこの形態に当てはまります。
4.グリーン組織(Green Organizations): 共感と人間関係を重視する組織です。人々の幸福やコミュニティの重要性を強調し、協力や参加を促進する文化があります。例としては、価値観重視の企業やNPOが挙げられます。
5.ティール組織(Teal Organizations): 自己組織化と進化的な目的を持つ、最も進化した組織形態です。個々の自由と責任が尊重され、組織が自己管理型で、目的が常に進化し続けることを重視します。
ティール組織は、これらの進化の段階の最も先進的な形態として、より人間らしい働き方と組織運営を追求するものです。次回は、どうすればティール組織に進化できるのか、見てみましょう。