法人税の基礎知識その④ 地方法人税とは
2024.6.20
今回は「地方法人税」を取り上げます。前回の「法人住民税」と名前は似ていますが、税の性格は大いに違います。
「地方法人税」の金額の計算は以下の通りです。
法人税の額×10.3%(地方法人税率)=地方法人税の額
法人税400万円の場合、
400万円×10.3%=41万2千円 となります。
*赤字の場合は、地方法人税は課税されません。
「法人住民税」とは、会社を登記している都道府県や市町村の自治体に対して納税する税金です。一方、「地方法人税」は、国が各自治体に対して配布する地方交付税の財源を作るための税金で国に支払われます。
何のことか?と思われる方もいらっしゃると思います。
その為には、「地方交付税交付金」を知る必要があります。「総務省」のホームページに「地方交付税制度の概要」として、以下の記述がありました。
地方交付税制度の概要
性格:本来地方の税収入とすべきであるが、団体間の財源の不均衡を調整し、すべての地方団体が一定の水準を維持しうるよう財源を保障する見地から、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって再配分(筆者注:「地方交付税交付金」という名称)する、いわば「国が地方に代わって徴収する地方税である。」
総額:所得税・法人税の33.1%、酒税の50%、消費税の19.5%、「地方法人税」の全額(100%)
平たい言葉で説明すると「地方は自治体を運営するのに十分な税収がないので、国が儲かっている企業やお酒を飲む人から税金を取って地方に還元します。」というものです。
確かに、都会ほど儲かっている企業が多いですよね。東京都は大企業も多く潤っているが地方には大きな企業が少ないので税収も多くないのでしょう。「法人住民税」では、自治体の不均衡を調整できないので「地方法人税」という紛らわしい名前の税金で調整しているのです。