法人税の基礎知識その① 法人税率の推移
2024.5.5
税金を払わなければならないと言われると、いや~な気分になります。一方、「節税」という言葉は大好きです。会社を設立して、初めのうちは利益が出なくて法人税を支払わなくて済んだり、利益が出ても繰越欠損金の範囲内で法人税を支払わなくて済んだりします。ところが、事業が順調に推移して、いざ法人税を支払うことになった場合、無理やり節税しますか?素直に納税しますか? これから、数回に分けて、法人税の基礎的な知識について説明していきます。素直に納税したほうがいいよね、と思っていただければ幸いです。
まず、税金の根本的な考え方です。利益が出ていなくても支払うものもありますが、原則、税金は、利益に対してかかります。儲かっていない人(個人、法人とも)には、そもそも「税金とのご縁」がありません。払えることを喜んでも良いかもしれません。
法人にかかる税金は、以下の6種類です。①法人税、②法人住民税、③地方法人税、④法人事業税、⑤特別法人事業税、⑥消費税ですが、「消費税は、預かりもの」なので法人の利益とかと関係がない為、今回は取り上げません。預かりものは、早めに手放しましょう。
ところで、「税金は、高い」という先入観を持たれている経営者も多いのではないでしょうか。財務省の法人税率の説明は、以下の通りです。 「法人税の税率は、普通法人、一般社団法人等又は人格のない社団等については23.2%(資本金1億円以下の普通法人、一般社団法人等又は人格のない社団等の所得の金額のうち年800万円以下の金額については15%)とされています。 法人税の税率は、国の税収の確保を目的として所得税等の他の税とのバランスを図りながら、その時々における財政事情や経済情勢等を反映して決定されています。」
「その時々の財政事情や経済情勢等を反映して」とありますが、過去の法人税率は、どうだったのかを見ていきましょう。
▼法人税率の推移のグラフ
何と、昭和59年(1984年)から62年(1987年)、大規模法人43.3%、中小法人31%をピークに下がり続けて、今の水準(それぞれ、23.2%、15%)に達しています。
もちろん、①の法人税以外にも②~⑤の税金がかかるのですが、①の法人税がメインです。いかがでしょうか?意外と低いかも、と思われた方も多いと思います。特に、中小法人で、利益が800万円以下の部分が15%というのは、嬉しいですね。