経営計画の立て方その② 売上目標を立てるときの順番

2024.4.20

 
前回は、経営計画を立てることのメリットについて説明しました。今回は、目標となる売上高をどのようにして決めたらよいのかについて説明します。

普通に考えると、「売上げ目標は、前年の2割増しにしよう」とか「積極的に売上げを2倍にしよう」とかアバウトな決め方をする経営者は多いのではないでしょうか。ある程度は、経験と勘で何とかなりますよね。
一方、「借入金は利益からしか返済できない」という言葉を聞いた方は多いと思います。確かにその通りなのですが、減価償却費も返済原資になるので、減価償却費を加える必要があります。
今回のコラムでは、借入金の返済が必要な会社が、利益の金額から売上げ目標を決める決め方をご案内します。

*金額、税率などは、計算を分かりやすくするための一例です。
①増やしたい利益の金額を決める:200万円
②目標税引き前利益:前年の当期純利益200万円+①の金額200万円=400万円
                  (400万円+借入金返済額300万円)÷70%(税率30%)=1,000万円
③固定費:人件費2,500万円+減価償却費250万円+その他固定費1,750万円=4,500万円
④目標の粗利:②1,000万円+③4,500万円=5,500万円
⑤目標売上高:5,500万円÷50%(粗利率)=11,000万円
この例の場合、純利益を200万円から400万円に2倍にするには、いくらの売上が必要なのかを計算しています。借入金の年間返済額は300万円なので、利益400万円と減価償却費250万円の合計額650万円で十分に返済可能です。

「利益を上げて、納税して、内部留保を厚くする」ことが安定した経営には必須です。成長途上の会社には難しいかもしれませんが、経営計画を立てる時は利益の水準をベースに計画を立てていきましょう。