経営計画の立て方その① 経営計画を立てるメリット

2024.4.5

 
3月決算の企業は、新年度が始まりました。4月は、決算期が違っていても、なにか新鮮な気分になりますね。新入社員のういういしい姿を見るからでしょうか。
ところで、中小企業において「経営計画」を作成している企業はどの程度でしょうか?野村総合研究所の調査によると、中規模事業者は、7割程度が経営計画書を作成しているのに対して、小規模事業者は、5割弱という結果でした。
 
今回は、経営計画を立てるメリットについて説明します。教科書的には、以下の4つが挙げられます。① 企業の方向性を示し、柔軟な環境適応が図れるようにする
② 目標を設定することで、業務評価の基準ができる
③ 目標を明確化することで、従業員の目標達成意欲を喚起する
④ 企業内の各部門の活動を調整する
 
経営計画にも、短期(1年)、中期(3~5年)、長期(10年以上)とあります。
そもそも、計画を立てるには「現状把握」を行う必要があります。この「現状把握」こそが、計画を立てることの最大のメリットと言えます。
現状把握を行うのに優れていてシンプルな手法が以前のコラムでご紹介したSWOT分析です。内部環境分析と外部環境分析を行うことにより、企業の課題と課題を解決する方向性が見えてきます。
また、計画を立てると経営資源の配分に関して、自信をもってできるようになり、成長につなげることができます。経営資源とは「ヒト、モノ、カネ、情報」です。サービス業は、モノをサービスに置換えてください。
売上を上げたければ、人を増やさないと売上は上がりません。人を増やさずにどうして売上が上がるのでしょうか。しかし、計画がなければ、何人採用するのが適当なのか、どのような人材を採用すればよいのか見当がつかないですね。
 
商品・サービス別の販売戦略も重要です。粗利の大きい商品・サービスに経営資源を集中すべきなのはお分かりのことでしょう。計画があることにより「販売促進費」のかけ方も見えてきます。
経営計画は、社長一人で作るのではなく幹部社員を交えて作ることが重要です。是非、幹部と一緒に会社の「現状把握」を行って、計画を作成してください。
 
次回は、売上目標の決め方について解説していきます。