ティール(進化型)組織とは③ ティール組織のような組織を運営する会社の具体例

2024.10.5

 
従業員8名、役員1名の小さなサービス業の会社を想像してください。年に2回、社長が従業員と1時間程度の1on1ミーティングを行っています。従業員は、あらかじめ社長から出されたアンケートに回答します。以下は、当該企業のホームページに掲載されているアンケート結果です。
 
202312月実施の社員のアンケート結果
「当社の良いところはどんなところですか?」
・のびのび仕事が出来て、社内で 発言しやすいところ。良い意味でゆるい雰囲気なところが良い。テレワークが多く、休みが取りやすいのが良い。(30代女性)
・働きやすい。子供の具合が悪くても休まずに在宅勤務をすることができるところ。有給が取りやすい。毎年の昇給でモチベーションが上がる。(30代女性)
・社員一人一人が自立していて、自分の意見が言いやすいところ。社員がやってみたいことを積極的に取り入れ、挑戦しているところ。(50代女性)
・人間関係の距離感がちょうど良く、とても働きやすいところ。(40代女性)
 
社歴の浅い社員の声
・入社時に 専門知識が無くても安心して働き始められた。最初は専門知識でわからないことが多く不安が多かったけれど、周りのサポートが手厚く、仕事がしやすい環境なのが良かった。今では自分の得意な分野の仕事を任せてもらえるようになり、 仕事のモチベーションが上がる。(20代女性)
・相談しやすい雰囲気なところ。 仕事環境が整っていて、作業がしやすい。(20代女性)
 
アンケート結果を見てどう思われましたか?前回のメルマガでは、どのようにすればティール組織を作れるのかについてお話ししました。ポイントは、5つでしたね。
 
1. トップダウンの管理から自分たちで考えて行動するチームへ
2. 「仕事は仕事」ではなく、ありのままの自分を大事にする
3. 組織の目標は固定せず、時代や状況に合わせて変わる
4. チームで助け合う文化を作る
5. 小さく始めて、大きく成長させる
 
当該企業は、何だかティール組織っぽい感じがしませんか?一方で、「働きやすさ」ばかり追求しているのでは、と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
 
当該企業は、3年連続で売上高が40%増加し、今年度も40%以上になりそうなのです。常に仕事が増えていくため、生産性向上と増員が必要な状況です。また、離職がゼロというのも当該企業の大きな特長と言えます。
 
最後に、フレデリック・ラルーさんの提唱するティール組織の3つの特長を確認します。
1. 自己組織化(Self-management):従来のピラミッド型の組織構造ではなく、権限が分散され、個々のチームや個人が自律的に意思決定を行います。
2. 全体性(Wholeness):個々の従業員が職場で自身の全体性を発揮できる環境を提供し、個人の価値観や感情を尊重する文化を持ちます。
3. 進化する目的(Evolutionary Purpose):組織の目的やビジョンが固定的なものではなく、状況や環境に応じて進化していくことを重視します。