助成金と補助金の違いその①:助成金
2023.08.05
経営者への情報提供で喜んでもらえるテーマに助成金と補助金があります。
助成金と補助金の大体の違いは、お分かりいただいていると思いますが、基本的なところから説明していきます。
助成金と補助金は全く別物
ともに、「返済不要」で「後払い」は共通なので、何となく同じような意味で使われがちです。今回は数回に分けて、助成金や補助金の支給の流れや両者の共通点、相違点などをまとめて解説していきます。
助成金の財源と支給の流れ
助成金は主に厚生労働省や地方自治体の管轄で雇用に関するものが多いです。助成金の財源は「企業が払っている雇用保険料」です。有名な助成金に「キャリアアップ助成金」「働き方改革助成金」「雇用安定助成金」などがあります。
雇用保険が財源なので、従業員を雇用している企業が支給対象となります。従業員を雇用していない一人社長の会社や個人事業主は、支給の対象とはなりません。東京都の場合、2名以上雇用していると、応募できる助成金の範囲が広がります。
助成金は随時募集が行われています。給付は「実施計画申請→実施→支給申請→給付」といった流れです。実施計画を申請してから給付を受けるまでの期間は、6か月から1年程度です。
毎年、数多くの助成金が発表されていて、実施計画の作成も手間がかかるので、社会保険労務士などの助成金のコンサルタントをつけるのがお勧めです。厚労省の管轄なので、社会保険労務士が助成金申請の担い手となります。要件を満たした場合は、100%支給されます。
助成金活用の具体例
株式会社アイエフパートナーズを例に具体例を見ていきましょう。
2019年:キャリアアップ助成金95万円
2020年:働き方改革宣言奨励金70万円、ジョブリターン制度整備奨励金20万円など
合計247万円
2021年:東京都働きやすい職場環境づくり推進奨励金(介護離職防止のための制度整備事業)40万円など合計60万円
2022年:働き方改革奨励金(誕生日休暇、時間単位年休取得)20万円
具体例を見るとイメージが膨らむと思います。また、助成金の内容は、国の政策に対応していることが分かります。金額も20万円から95万円と補助金と比べると小さいですね。アイエフパートナーズの場合、コンサルタントへの報酬は33%ですが、67%残ります。手間と比較しても助成金に取り組むメリットは大きいと言えるでしょう。助成金は、雑収入に計上されます。赤字企業は良いのですが、黒字だと税金がかかることに注意が必要です。
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