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経営者が惚れる“3C分析”の使い方(第3回) ―顧客に惚れられる会社は伸びる―

3C分析の最後の要素は「Customer(顧客)」です。3つのCの中で最も重要でありながら、最も軽視されがちな部分でもあります。

経営者に「お客様はどんな方が多いですか?」と尋ねると、「近所の人」「常連さん」「リピーター」といった言葉が返ってきます。しかし、その“中身”まで具体的に語れる社長は意外と少ないのです。

顧客分析とは、単に属性を分類することではありません。「なぜそのお客様が自社を選んでくれるのか」を掘り下げること。その理由を社長自身が言語化できるように導くのが、コンサルタントの役割です。

たとえば、ラーメン店の事例で考えてみましょう。社長に「どんなお客様が多いですか?」と聞くと、「会社員や学生さんが多いです」と返ってきました。さらに「なぜその方たちは通ってくれると思いますか?」と尋ねると、「味が安定しているから」「店が清潔だから」「昼でも夜でも入りやすいから」と言葉が続きます。この瞬間、経営者の頭の中に“自社の強み”が浮かび上がります。顧客の視点を通すことで、Company(自社)の価値が明確になるのです。

また、顧客の変化を一緒に考えることも大切です。「コロナ後にお客様の層は変わりましたか?」「若い人はどうやって店を知っていますか?」こうした問いかけから、SNSやデリバリー、健康志向などの“機会(Opportunity)”が見えてきます。実は、3C分析の“Customer”は、SWOT分析の“機会”ともつながっているのです。

顧客を理解することは、経営を「数字」から「人」に引き戻すことです。売上の先にいるのは、人の顔であり、声であり、感情です。社長がその実感を取り戻すと、経営は一気に活性化します。なぜなら、経営者の情熱の源泉は、結局「お客様に喜ばれたい」という想いだからです。

3C分析を現場で使うとき、最も大切なのは“顧客の物語”を一緒に描くことです。数字ではなく、エピソードを引き出します。「常連さんが子どもを連れてきてくれた」「口コミで観光客が増えた」そんな話の中に、企業が本当に提供している価値が隠れています。

3C分析とは、社長の頭の中を“言葉で見える化”するツールです。Customer、Competitor、Companyこの3つの視点で対話を重ねることで、経営者自身が自社の立ち位置と方向性を再確認できます。その瞬間、コンサルタントは“分析者”から“伴走者”へと変わります。

経営者が惚れるのは、理屈ではなく“共に考えてくれる人”です。3C分析は、その信頼関係を築くための最良の入口なのです。

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