『ビジョナリー・カンパニー2(Good to Great)』でジム・コリンズが説いた、偉大な企業に共通する6つの要因の最後6つ目は「弾み車の法則(The Flywheel Concept)」は、「偉大な企業が大きな成果を生む“地道で継続的なプロセス”」を表す重要な概念です。
弾み車(フライホイール)とは?
- 「弾み車(flywheel)」は、大きくて重い金属の車輪で、最初は力を加えてもなかなか回らない。
- しかし、一定の方向に継続的に力を加え続けると、やがて勢いがつき、自動的に回転を続けるようになる。
- このプロセスが、偉大な企業の成長の本質だとコリンズは述べます。
要点:弾み車の法則とは?
偉大な成果とは、一夜にして得られるものではなく、
地道な取り組みを積み重ねた結果として「加速的な成長」が生まれるということ。
弾み車の法則の特徴
特徴 | 解説 |
一発逆転を狙わない | カリスマ経営者や大きな戦略変更で突然変わることはない |
継続性が大切 | 小さな成功・信頼・結果の積み重ねが企業の力を増していく |
力を一点に集中する | バラバラな方向に力をかけても回らない(方向性がブレない) |
社内外の信頼を生む | 結果を見た顧客・社員・投資家がさらに力を与えてくれる好循環 |
弾み車の回転イメージ
- 優れた人材を集める
- 正しい方向を見定める
- 規律ある実行を繰り返す
- 小さな成果が現れる
- 社内外に信頼が広がる
- 支持が得られ、さらなる推進力が生まれる
→ ますます回転が加速する
対極にある「破滅のループ」
弾み車の法則に対する「負の連鎖」として、「破滅のループ(Doom Loop)」も紹介されています。
弾み車の法則 | 破滅のループ |
一貫した戦略 | コロコロ変わる方向性 |
継続的な努力 | 一発逆転・ショートカットを狙う |
社内の信頼 | 社内が混乱し、モチベーションが低下 |
結果が加速 | 成果が出ず、悪循環に陥る |
経営者がとるべきアクション
アクション | 解説 |
「今、回している弾み車は何か?」を言語化する | 自社の成功の原動力となるサイクルを明確にする |
成果の理由を振り返り、プロセスに再現性を持たせる | 偶然の成功にしない仕組み作り |
短期的な流行や誘惑に惑わされない | 一貫した方向性と継続力を信じる |
小さな成功をチームで祝福し、推進力に変える | 弾み車を回すエネルギー源は人の共感と信頼 |
如何でしたでしょうか?今回でビジョナリー・カンパニー2の解説を終了します。
偉大な企業になるには6つの共通項目がありました。
「地味な一歩」を「継続し続けた」結果として、加速的に飛躍する組織となるのですね。
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