偉大な企業に共通する6つのポイントの三つ目は、「厳しい現実を直視する(Confront the Brutal Facts)」です。これは、都合の悪い情報を隠したり、楽観的なビジョンだけに頼ったりせず、事実に基づいた意思決定を貫くという姿勢です。
これは、何となくそうだろうな、と思いますよね。また、実践するには組織文化の醸成が必須となります。
要点:なぜ「厳しい現実」に向き合うことが重要なのか?
理由 | 解説 |
誤った楽観主義は破滅を招く | 「いつか何とかなる」は、問題を先送りし悪化させる |
事実に向き合わなければ、正しい戦略は立てられない | 外部環境・内部課題を直視しない企業は意思決定を誤る |
部下の声を無視する文化では変化できない | 現場が問題を報告しにくい風土では、改善が遅れる |
経営に活かすポイント(文化と仕組み)
組織文化としての実践
行動 | 説明 |
悪いニュースが昇ってくる仕組み作り | 「悪い報告ほど早く上げろ」と奨励する文化があるか? |
“事実を愛せ”の姿勢 | 感情や希望ではなく、データ・現場の声に基づく判断を優先する |
議論を歓迎する風土 | 「経営者が常に正しい」という空気を排除し、異論を歓迎する |
経営者に求められる行動
行動 | 具体例 |
会議で「都合の悪いことから話そう」と指示する | 売上不振・退職率・顧客クレームなど |
社員の不満や課題を“批判”と受け取らず“ヒント”として扱う | 現場の声から改善点を拾い上げる姿勢 |
市場・競合の変化に対して「自社のリスク」を明確に言語化する | 「我々が負けるとしたら、どこか?」を問い続ける |
組織文化の醸成は、経営者の姿勢や行動次第ですね。
具体的な事例:「ストックデール・パラドックス(ストックデールの逆説)」
本書ではこの考え方の象徴として、「ストックデール・パラドックス」が紹介されています。
【内容】
「厳しい現実を直視しながらも、最後には必ず成功できるという信念を持ち続ける」
【由来】
ベトナム戦争で捕虜となった米軍将校ストックデールが語った精神的態度。
現実から目を背けた者ほど絶望したが、現実を受け入れた上で希望を持つ者が生き残った。
これは、「現実主義 × 楽観主義」の両立こそが、逆境を乗り越えるカギであることを示しています。
如何でしたでしょうか?社員が、厳しい現実に直面した時、すぐに相談してもらえる経営者でありましょう。今回のコラムは、経営計画を立てる時に役立ちそうです。
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