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経営者が惚れる“3C分析”の使い方(第2回) ―競合を語れる社長は強い―

3C分析の二つ目の要素、「Competitor(競合)」は、経営者の戦う姿勢を最もよく映し出す鏡です。競合をどう見ているかを聞くと、その社長がどれほど市場を俯瞰し、自社の立ち位置を理解しているかがわかります。

「競合はどんな会社ですか?」と尋ねると、返ってくる答えはさまざまです。「うちは唯一無二だから競合はいないよ」と語る社長もいれば、「どこも似たような商品を出してきて困る」と嘆く方もいます。この反応の違いこそが、経営の成熟度を示しています。

競合を認識している社長ほど、自社の強みと課題を冷静に見ています。一方で、競合を軽視する社長は、自社の問題を“外部要因”として片づけてしまいがちです。コンサルタントの役割は、社長がその構図を「気づく」よう導くことです。説得ではなく、“対話”によって。

たとえば、ラーメン店の社長にこう尋ねてみます。「近くに人気のあるお店はありますか?」
「そのお店、どんな点がお客さんにウケていると思います?」この2つの質問だけで、社長は自然と競合の強みを語り出します。すると、「うちはスープでは勝ってるけど、回転が遅いんだよな」と、自社の改善点に気づくことがあります。

競合分析というと、つい価格比較や商品スペックに目が行きがちですが、中小企業ではむしろ「お客様がどう感じているか」に注目すべきです。顧客の目線から見た競争優位性こそが、本当の脅威でありチャンスでもあります。コンサルタントがその視点を持って質問すれば、社長は自分で解決策を見つけ始めます。

また、競合を語ることで社長の「戦う相手」が明確になると、社員の方向性も定まります。「うちはあの店に負けない味で勝負しよう」という意識は、現場のモチベーションを高めます。競合を知ることは、決してネガティブなことではありません。それは、企業が成長するための鏡であり、羅針盤でもあるのです。

3C分析のCompetitorとは、数字やグラフではなく「社長の意識の向き」を可視化するツールです。経営者がどこを見て、誰を意識しているかを言葉にしてもらうだけで、戦略の輪郭が浮かび上がります。

次回は、最も重要なCである「Customer(顧客)」を取り上げます。顧客に惚れられる会社は、結果として利益にも愛される。その秘訣を、次回お伝えします。

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