165億円の資産を築いた社長の愛読書 ②社員100人までの会社の社長の仕事
2025.1.20
前回の続きで「社員100人までの会社の社長の仕事」古田土会計の古田土満さんの書籍です。今回は、事業拡大のところです。165億円の資産を築いた社長が太い赤線を引いていたところをご紹介します。
*継続的に安定的に成長していくには「正しい拡大のやり方」がある
*会社はお金でつぶれる
倒産は4つのタイプに分けることができます。
- 売り上げが伸びて、利益も伸びているが、お金がなくて倒産するタイプ
- 売り上げが伸びたが、利益が減って、お金もなくなり倒産するタイプ
- 急激に売上・利益が減少して倒産するタイプ
- 本業の業績とは無関係に、何らかの事故で倒産するタイプ
中小企業が注意すべきは、1番目から3番目までのタイプです。
*お金が残らない、利益が出ない拡大は、成長ではなく「膨張」です
*高収益型の店舗、商品をまずひとつ作る。拡大はそれから
飲食業でいえば、まずは最初の店舗で徹底的に成功することです。高収益型の店舗をまずひとつ作るのです。最初の1店舗がそれほど儲かっていないのに、第2、第3の店舗を出してはいけません。
飲食業以外でも同様です。まずはひとつのビジネスモデルや、ひとつの商品・サービスで徹底的に、儲かる構造を作ることが重要です。
*「損益計算書」は全社員が作り上げる 「貸借対照表」は社長ひとりで作る
貸借対照表に記載される在庫をどうするか、固定資産の購入や売却、支払手形の発行や借入金など、これらは、すべて社長の経営判断の結果として表されています。
貸借対照表を見れば、その会社の社長の経営姿勢を垣間見ることができます。たとえば、現預金が少ないのにゴルフ会員権や有価証券、事業に使われていない不動産などを保有しているとすれば、お金を使うのが好きな社長なのかなと推測できます。
逆に、長い時間をかけて堅実な経営をしていれば、それも貸借対照表に表れます。堅実な経営とは、きちんと利益を生み出し続けること。利益をきちんと出し続けていれば、利益が蓄積されていきます。
繰り返しいいますが、貸借対照表には、社長の会社経営の歴史が蓄積されています。社歴10年の会社なら10年分、20年の会社なら20年分の経営の結果が、今現在の貸借対照表に明確に記載されています。
これはとても重要なことです。
貸借対照表を良くしようと思ったら、一朝一夕では達成できません。10年、20年かけて蓄積した歴史を、1年程度で大きく改善するなど現実的なことではありません。
*「財務体質を強くする」とは、貸借対照表をよくすることに他なりません。