アンゾフの成長マトリクス(成長ベクトルともいう)とは(中小企業庁ミラサポより)
2023.09.06
前回、補助金のお話をしました。(株)アイエフパートナーズでも採択されたことをお話ししましたが、2023年も小規模事業者持続化補助金を申請する予定です。経営戦略を策定する上で、とても有効なフレームワークであるアンゾフの成長ベクトルの説明に(株)アイエフパートナーズの戦略並びに活用する補助金を付け加えました。
イゴール・アンゾフ (1918- 2002)は、「戦略的経営の父」とも呼ばれるロシア系アメリカ人の経営学者です。彼の業績のなかで、最も有名なものが「アンゾフの成長マトリクス」と呼ばれるフレームワークです。
アンゾフは、成長戦略を「製品」と「市場」の 2軸におき、それをさらに「既存」と「新規」に分けました。
アンゾフの成長マトリクス 図
1つ目の既存製品 ×既存市場は「市場浸透戦略」と呼ばれています。
いままでの市場に、既存の製品やサービスを投入して、売上高や市場シェアの拡大をめざす戦略です。市場浸透戦略では、製品の認知を上げたり、購入意欲を高めたりすることが大きな課題となり、戦略の主な目的になってきます。
中小企業に企業型確定拠出年金(企業型 DC)を導入する事業を行っている(株)アイエフパートナーズでは、企業型 DCの認知度を高めるために、 HPのリニューアル、企業型 DCの動画制作の費用を一部補助金で賄う予定です。
2つ目の新規製品 ×既存市場は、「新製品開発戦略」と呼ばれています。
いままでの市場に、新しい製品やサービスを投入して、売上を拡大しようとする戦略です。既存市場のニーズに対応した製品やサービスを開発すること、競合と差別化を図ることができる製品やサービスを開発すること、それができるかどうかが、重要なポイントになります。
(株)アイエフパートナーズでは、 2023年 1月に IFA事業(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)をスタートさせました。企業型 DCを導入した企業に投資教育を行い、役員・従業員に新 NISAを利用してもらうためです。 2022年の小規模事業者持続化補助金で、面談ルームをつくるためのパーテーション設置費用を補助金で賄いました。
3つ目の既存製品 ×新規市場は、「新市場開拓戦略」と呼ばれるものです。
既存の製品やサービスを新しい市場に投入して、勝負します。その市場に競合がいる場合は、商品力はもちろんですが、営業力・販売ネットワーク等の「売る力」が勝負を左右することも多くなります。既存製品の海外進出・海外展開は、新市場開拓戦略の一例と考えることができます。
現在のところ、(株)アイエフパートナーズにおいて「新市場開拓戦略」はありません。この分野では、事業再構築補助金、ものづくり補助金など使える補助金が多いと思います。
4つ目の新規製品 ×新規市場が「多角化戦略」です。
新しい市場に新しい製品やサービスを投入する戦略です。多角化戦略は、ほとんど経験のない市場で新製品を投入するため、マーケティングのコスト、製品・サービスの開発コストがかかるなどのリスクがあります。リスクがあっても新しい収益源を求める時、または求めなくてはならない時に、ハイリスク・ハイリターンの多角化戦略がとられます。
現在のところ、(株)アイエフパートナーズにおいて「多角化戦略」はありません。事業再構築補助金が活用できるとリスク低減に役立ちますね。
国(補助金は経済産業省管轄)は、中小企業であっても事業計画を作成し、しっかりと実施した企業には「補助」してくれるのです。