ロジカル・シンキングとフレームワーク
2023.07.05
「ロジカル・シンキング」とは、「筋道の通った考え」のことです。筋道が通っていないと相手に「なるほど、分かりました。」と言ってもらえません。コンサルタントは、経営者に「なるほど、わかった」と言ってもらえなければ、いくら時間をかけて考えた提案でも採用してもらえないでしょう。経営者に行動してもらってこそ「ロジカル・シンキング」ができたと言えます。
ロジカル・シンキングの基本は、ピラミッド構造とMECEです。
まず、ピラミッド構造とは、物事を構造的に分解して捉える手法です。ピラミッド構造で捉えるとは、複雑なものを段階に分けて細かくしていくことにより、自分の考えを整理していくことです。
次に、MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)とは、モレなくダブリなく、考えることです。考える要素の漏れている部分や重複している部分を無くしていくことにより、理論の不完全さを補い、より良い答えに辿り着くことができます。
ロジカル・シンキングの為のフレームワーク
ロジカルに物事を整理するためには「フレームワーク(枠組み)」を利用するのが効果的です。代表的なフレームワークとして「PEST」「3C」「4P」をご紹介します。経営戦略を立案するときに活用すると考えが整理でき、自動的にMECEとなります。
①PEST
企業を取り巻くマクロ環境を分析する為のフレームワークで、政治(Politics)、経済(Economics)、社会(Society)、技術(Technology)の頭文字をとったものです。
例えば、保険代理店を例にとると以下のようになります。
政治(Politics):骨太の方針の中で「資産所得倍増計画」、金融リテラシー教育の本格化
経済(Economics):企業収益はUP、インフレ懸念、賃金上昇傾向
社会(Society):少子高齢化の加速、コロナ5類へ
技術(Technology):スマホとアプリの普及、オンライン面談
②3C
事業環境を分析するフレームワークで、市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の頭文字をとったものです。
例えば、保険代理店を例にとると以下のようになります。
市場(Customer):飽和状態、少子高齢化で市場規模縮小の方向
競合(Competitor):競合多数、ネット保険の台頭、来店ショップの定着、IFAの台頭
自社(Company):それぞれの代理店の状況
③4P
マーケティング施策立案のフレームワークで、製品(Product)、価格(Price)、流通チャネル(Place)、プロモーション(Promotion)の頭文字をとったものです。
例えば、保険代理店を例にとると以下のようになります。
製品/サービス(Product):生命保険、損害保険
価格(Price):固定(自らで価格を設定できない)
流通チャネル(Place):営業パーソン、来店ショップ、ホームページ、SNS
プロモーション(Promotion):セミナー、広告、口コミ(紹介)、飛び込み営業
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